制度の狭間にいる子どもたちと、学習支援に取り組む意義

株式会社ILLUMINATE代表の西村猛です。

子育て支援事業を通して子どもたちと向き合っていると、「子どもの学ぶ力」は単に勉強ができるかどうかだけの問題ではないと感じます。

学ぶことに自信を持てるか。
わからないことに出会ったときに、「もう一度やってみよう」と思えるか。
自分なりの方法で、少しずつ前に進めるか。

こうした経験の積み重ねは、子どもが将来社会の中で生きていくうえで、とても大切な土台になります。

だからこそ私は、発達に特性のある子どもたちにとって、「学習支援」は単なる勉強のサポートではなく、その子の自己肯定感や将来の可能性を支える重要な取り組みだと考えています。

制度の中だけでは支えきれない子どもたち

児童発達支援や放課後等デイサービスといった公費事業は、子どもたちとその家族を支えるうえで、非常に重要な役割を果たしています。

一方で、制度にはどうしても一定の枠があります。

利用できる時間や日数、支援の目的、人員配置や運営上の制約などの中で、「学習のつまずきを丁寧に見立てる」「学び方そのものを教えていく」「学校の勉強をじっくり支える」といった支援に十分な時間をかけることが難しい場合もあります。


また、学校や一般的な学習塾も、多くの子どもたちにとって大切な学びの場です。

しかし、集団のペースについていくことや、一斉指示を理解して取り組むことに難しさのある子どもにとっては、学ぶ意欲があっても、その環境自体が負担になってしまうことがあります。


その結果、「療育には通っているけれど勉強が心配」「塾に通わせても続かなかった」「この子に合った学び方がわからない」と悩むご家庭が少なくありません。

私は、こうした子どもたちを「制度の狭間」にいる子どもたちだと感じています。

学習支援が果たす役割

学習支援の目的は、単にテストの点数を上げることではありません。

大切なのは、その子がどこでつまずいているのかを見立て、発達特性や認知の特徴を踏まえながら、「その子にとって無理のない学び方」を一緒に探していくことです。

たとえば、

  • 文字を読むことに多くのエネルギーがいる
  • 話を聞きながら書くことが難しい
  • 順序立てて考えることに時間がかかる
  • 失敗経験が重なり、自信を失っている

こうした背景を理解せずに、「もっと頑張ろう」と促すだけでは、かえって学ぶこと自体が苦痛になってしまうことがあります。

だからこそ、学習支援では「何を教えるか」と同じくらい、「どう学ぶか」を支えることが重要だと考えています。

自費だからこそできる支援がある

こうした学習支援には、十分な時間と高い個別性が必要です。

弊社が運営している学習塾「寺子屋ゆず」では、マンツーマンの環境の中で、発達特性や認知の特徴を踏まえながら、学びの土台を一つずつ整えていきます。


自費の事業には、公費の制度にはない運用のしやすさ、というメリットがあります。つまり、子どもの状態に応じて支援内容を調整し、必要な時間を確保しながら、保護者にも丁寧なサポートが行なえます。

反対に、立ち上げることは簡単ですが、長く運用していくことは難しい事業でもあります。もちろん、だからこそ、取り組む意義がある事業でもあると感じています。

寺子屋ゆずでは、自費の学習支援は公費の支援の代わりになるとは考えていません。

むしろ、公費の事業とは別の立ち位置で、制度の「すき間」を埋めていく存在だと考えています。

この取り組みを通して感じていること

発達支援ゆずでの公費療育、そして寺子屋ゆずでの学習支援を続けるなかで、このような場を必要としている子どもたちが地域の中に数多くいることを実感しています。

同時に、子どものために本当に意味のある教育の仕組みをつくりたいと考えている方々も、きっと少なくないのではないかと感じています。

寺子屋ゆずでの実践を通して得た気づきや学びが、同じような思いを持つ方々にとって、少しでも参考になるならうれしく思います。


学ぶことに困り感のある子どもたちが、自分に合った方法で少しずつ前に進み、「できた」という実感を積み重ねていけること。その積み重ねが、子どもたちの将来の可能性を広げていくと信じています。


困っている子どもがいるなら、その子に必要な支援をつくる。

「なければ、私たちが作ればいい」

それが、私たちの役割であり、するべき仕事だと考えています。