
「雑談に全然入ってこない」
「気づけば一人で黙々と作業している」
「正直、ちょっと話しかけづらい」
そんな部下がいると、上司としてどう接したらいいのか悩むことはありませんか?
時には「協調性がない」「やる気がない」と見られてしまうこともあります。ですが、実はその裏側には 発達特性によるコミュニケーションの難しさ が隠れているケースも少なくないんです。
私はこれまで長年「発達障害」に接してきました。
その経験から感じるのは、特性そのものよりも、理解されないことで孤立してしまうことが一番の問題になる、ということです。
だからこそ職場でも、上司がちょっとした“橋渡し”をしてあげられるかどうかが大事になってきます。
なぜ「チームに馴染めない」ように見えるのか?
本人に悪気はなくても、特性の影響でコミュニケーションがすれ違ってしまうことがあります。
ASD(自閉スペクトラム症)の場合
- 雑談や空気を読むのが苦手
- 表情やニュアンスを理解しにくい
- 「距離感がおかしい」と思われやすい
ADHD(注意欠如・多動症)の場合
- 話を最後まで聞かずに口を挟んでしまう
- 話題が飛びやすく会話がかみ合わない
- その場の雰囲気に合わせて行動するのが苦手
LD(学習障害)の場合
- 指示を正確に読み取れないことがある
- 報告や説明が要点から外れてしまう
- 「不真面目」と誤解されやすい
こうした特性が重なって、周りに誤解され、結果的にチームに入りにくくなることがあるのです。
上司ができる「橋渡し」とは?
じゃあ、上司は何をすればいいのでしょうか?
ポイントは 「言葉を補う」「ルールを見える化する」「双方をフォローする」 の3つです。
1. 言葉を補う
発達特性のある部下の発言が、意図せず“冷たい”とか“攻撃的”に聞こえてしまうことがあります。
そんな時は上司がひとこと補足してあげるだけで、誤解を防げます。
例:「本人は否定しているわけじゃなくて、率直に意見を言っただけなんです」
逆にチームからの指摘も、本人にとって分かりやすい言葉に直して伝えることが大切です。
2. ルールを見える化する
- 業務の手順やルールは紙やチャットで残す
- 会議の役割分担を明確にする
- 期日や優先度は数字や表で示す
こうした工夫は特性のある人だけでなく、チーム全員が仕事をしやすくする仕組みになります。
私が運営する事業所でも、この「見える化」を徹底したら、スタッフ全体のミスや行き違いが減りました。
3. 両方の気持ちをフォローする
橋渡し役は、本人だけを守るのではありません。
- 特性のある部下が孤立しないように支える
- 他のメンバーの不満や戸惑いにも耳を傾ける
この両方をバランスよく見ることが、上司に求められる大切な役割です。
「配慮すること」は「特別扱い」とは違う
「そこまでやったら甘やかしじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。
でも実際には違います。
ほんの少しの工夫や配慮は、本人だけでなくチーム全体にとってプラスになります。
つまりこれは“特別扱い”ではなく、上司としてのマネジメントの一部です。
まとめ
発達特性のある部下がチームに馴染めないのは、本人の努力不足ではなく、特性と環境が合っていないからです。
上司がちょっとした橋渡しをすることで、誤解を減らし、チーム全体が安心して働けるようになります。
私が20年以上の支援現場で見てきたのは、「少しの理解」と「小さな工夫」で人は驚くほど力を発揮できるという事実です。
ぜひ上司として、関わり方を工夫してみてください。
それが部下にとっても、チームにとっても、大きな前進になります。
オンライン相談もご利用ください
発達特性に対する理解と配慮は、現場マネジメントにおける重要なスキルです。
もし、「自分の対応が正しいのか不安」「ケースごとにアドバイスがほしい」と感じたら、単発相談(オンライン)をご活用ください。
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