【営業しないシリーズ #2】営業ゼロで満席に。そして発達支援ゆずが「方針転換」した理由

こんにちは、代表の西村です。

前回の記事では、営業に頼らず選ばれる事業所になるための「ブランド戦略」についてお話しました。チラシやポータルサイトに依存せず、自社で価値を発信していくことの重要性をお伝えしています。

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今回は、営業ゼロで満席・待機多数を実現してきた「発達支援ゆず」の実例をもとに、そこから生まれたブランド戦略と、現在進めている方針転換の背景についてご紹介します。

営業しない戦略が成果を生んだ理由

発達支援ゆずでは、いわゆる「営業」に分類される次のような活動は一切行ってきませんでした。

  • チラシ配布
  • ポータルサイト(リタリコ等)への掲載
  • あいさつまわりや紹介依頼

弊所は児童発達支援のみの運営ですが、開所から比較的早い段階で満席となり、長くお待ちいただくケースも出てきました。

そのため、チラシや広告に頼る必要がありませんでした。


これは、弊所が特別なことをしたからではなく、「ブランドをつくり、発信し続ける」ことに注力した結果だと感じています。

小規模事業所に必要なのは“強者の戦略”ではない

チラシに高額をかける。広告を打つ。ポータルサイトに掲載して目立つ。

これらはすべて、大手企業が採用する「強者の戦略」です。

資本力に物を言わせて一気に市場シェアを取りに行くやり方は、資本が潤沢にあるからこそ成り立つのです。


小規模な療育事業所が、これと同じ土俵に立っても勝てません。

だからこそ必要なのが、「ランチェスターの弱者の戦略」です。

  • 大手と同じ戦略を取らない
  • 大手がやらないことに集中する
  • 顧客に近づく

これらの視点を持つことで、小規模だからこそできるブランディングが見えてきます。

広告に頼らない代わりに、理念と方針をしっかりと発信し、共感する方とだけつながる。

これが弊所の選択でした。

ブランドとは「共感される基本軸」

ブランドというと、デザインやイメージ戦略を連想するかもしれません。

ですが、本質はそこではありません。

「あの事業所といえば、◯◯だよね」

と認知されること。それが本当のブランド力です。

理念を明確にし、それを日々の支援・運営の中で体現し続けること。

その積み重ねが、他と差別化される強みになっていきます。


発達支援ゆずでは、「ゆずの療育が合う方だけにしっかり届く」ことを優先し、不特定多数に営業するのではなく、自然と選ばれる存在を目指してきました。

ブランディングは無料でできる「攻めの戦略」

ブランディングは高額な費用がかかる。

そう思っていませんか?

実は、発信に使っているツールはすべて無料のものばかりです。

  • SNS
  • ブログ
  • YouTube
  • 公式LINE

これらを活用することで、営業をせずとも信頼を積み重ね、自然な問い合わせや見学希望を得ることが可能になります。

しかも、コストは限りなくゼロに近い。

特にブログは、自分たちのブランドを自由に書くことができることに加え、SNSのような「フロー型」ではなく、「ストック型」の発信ツールです。

つまり、記事として書いたことは、自社の「財産」として構築されていきます(リタリコのようなポータルサイトで書いても、それはリタリコの財産になるだけです)。

その意味では、まずは自社サイトにおいてブログ記事をしっかりと書いていくことをお勧めします(単なる「日々の療育場面の紹介」に終始してはいけないですが)。

このように、経費削減を狙うなら、まずはブログでの発信を強化し、広告費は順次カットしていきましょう。

ゆずが方針転換を決めた理由

なお、現在発達支援ゆずではブランド化をさらに進めるべく、今年度より運営体制の見直しを進めています。

見直しとは、選択と集中です。

ある事業所で退職者が複数でました。このままだと人員不足で運営ができない状況です。


通常であれば人員補充を行う場面ですが、あえて組織をコンパクト化する選択も視野にいれるようにしました。

もちろん従来どおり募集は進めました。複数の方から応募があり、面接も実施しました(2人の保育士枠に対して4名ほどの応募がありました)。

ですが、弊所のブランドに合っていない方は、お断りするという方針で面接を進めた結果、採用者無しとなり、必然的に「事業所閉鎖」となりました。


なぜ、このような方針を取ったのか、不思議に思われる方もおられるかもしれません。

ですが、理由はシンプルです。

組織が大きくなればなるほど方向性のブレが起きやすくなり、ブランドの一貫性が崩れてしまう恐れがあるため、無理に「合わない人を採用する」ことをやめました。

換言すると、「無理に規模を大きくする=目立つものがなくなる=平凡化する」ということにつながります。


開所すれば次々と利用者やスタッフが集まる時代なら、規模拡大も戦略としてはありだと思います。

ですが、利用者もさることながら、スタッフを集めることが難しくなっている今、誰でもいいから採用して無理やり規模を拡大する(維持も含め)ということは「平凡化・質の低下」につながる状況です。

採用コストはどんどん高騰する。高額をかけて入職したスタッフが定着せずすぐ離職する、質が低下し保護者からのクレームが増える。

こういったお悩みを抱えておられるオーナー様は多いと思います。

もちろん、弊所でも同じような体験をしました。


そのため、昨今の療育業界事情から、方針転換を行い、拡大(分散)から縮小(ブランド力強化)に舵を切りました。

それが、上記の「ブランドに合う方とご縁がなければ、無理に採用を進めずに閉鎖する」という方向性でした。

「姿勢のルール」と自然と離れていく人たち

ゆずでは、識学の考え方をベースに、全職員に共通の「姿勢のルール」を明文化しています。

これは「特別に許される人を作らない」というもので、これが守られてこそ、「フラットな組織」になると考えています。

特に「お局様を排除する」ことにおいては、非常に効果がありました。

このルールがあることで、理念に共感できない人、自分のやり方を押し通したい人は自然と離れていきました。

これにより、

  • 残ったメンバーの価値観の一致
  • 無駄な衝突の排除
  • 結果としてブランドの純度が高まる

といった効果が生まれました。

また、開所当初から利用者様に対しても「弊所に合わない場合は、別の事業所様をご紹介する」という方針を明確にしています(これは傲慢に振る舞うというものとは違いますので、誤解なきようお願いします)。

理念に賛同し、理解してくださる保護者の方にのみご利用いただく。
これがブランドの信頼感をさらに高める要因にもなっています。

誰もが守るルールの制定と「特別に許される人を作らない仕組み」は、一時的には離職が加速するという負の側面がありますが、「理念や方針に従えない(周囲と協調性を持って仕事ができない)スタッフが自然に離れていく」という大きなメリットがありました。

もちろんご利用者様が離れていくことは、経営者として身を切られる思いもありますが、このような方針で運営してきたこともあり、「いわれのないクレーム」をいただいたことは一度もありません。

もし苦情をいただいても、それは弊所にとって有り難いご意見であり、弊所がより良くなっていくための考える機会(チャンス)です。

このようなことから、ブランド化において「理念に賛同し、協調性のある社員で職場を構成する」ということは、非常に大事な事項になります。

  • 理念の再共有
  • 姿勢のルールの見直し
  • 一体感のあるチームづくり

これらに注力した結果、事業規模は縮小しましたが、ブランドに沿った運営ができるようになり、スタッフ間の風通しが良くなり、さらに利益率も改善しました(社員の方の処遇改善額も向上しつつあります)。


この方向転換を通して、弊所自身も「公費事業における規模拡大は、資本力のある大手以外は避けるべき」ということを、身を持って実感することになりました。

ヘーゲルの螺旋的発展の法則。後退に見える前進

このような事例を挙げると、多くの方が「事業として後退しているのでは?」と思われるかもしれません。

ですが、上記でも書いたように、段違いに運営が行いやすくなり、かつ利益率も上がっています。

この理由は、螺旋的発展の法則に当てはまると考えられます。


ドイツの哲学者ヘーゲルは、成長とは「螺旋階段を上るようなもの」と説いています。

螺旋階段は、上から見ると先程いた位置に戻っているように見えます。

ですが、横から見ると戻っているように見えて、先程よりも「高い位置」にいることが分かります。


これに当てはめて考えると、事業所数を絞ったということは一見後退に見えますが、

  • 「利用者ニーズへ対応しやすくなった」
  • 「ブランドや理念に沿ったスタッフで構成されるようになった」(=定着につながりやすくなった)
  • 「会社として利益が上がった」

といった結果をもたらせました。


もちろん「これから、どのようにブランド力を高めていくのか」ということについては、考えていく必要があります。

ですが、「そこに労力を掛けられるようになった」ことは、最大のメリットだったかもしれません

次回予告:信頼が積み上がる発信の仕組み

次回は、発達支援ゆずが実践している「伝わる発信」の仕組みをご紹介します。

営業ゼロでも自然に問い合わせが増える。
その具体的な方法を、LINE・YouTube・ブログなどを例にお話しします。

引き続きご覧いただけますと幸いです。

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