
こんにちは。株式会社ILLUMINATE代表の西村猛です。
現在、子どもの発達支援における社会的ニーズは年々高まっており、それに伴い療育事業所の開所も増加傾向にあります。
療育の現場では、児童発達支援と放課後等デイサービス(以下、放デイ)を組み合わせた多機能型の事業所が主流となっていますが、児童発達支援に特化した事業所運営にも大きな可能性があります。
今後、療育事業所を開所される場合は、放デイ単独事業所や児童発達支援事業所と放デイ事業所を同施設で行う「多機能型事業所」ではなく、「児童発達支援に特化した(未就学児専門の)」事業所として開所することをおすすめします。
今回の記事では、児童発達支援事業所の単独開所のメリットと成功への流れについて、実際の運営経験をもとに詳しく解説していきます。
児童発達支援単独開所のメリット
児童発達支援事業所を単独で開所することには、多くのメリットが存在します。それらの項目について一つずつ見ていきましょう。
最も大きな利点は、支援の専門性を高められることです。
未就学児の発達支援に特化することで、その年齢特有の課題に対して、より深い知識と経験を積むことができます。
特に、言葉の発達や運動機能の発達など、就学前の子どもたちが直面する課題に対して、集中的にアプローチすることが可能となります。
職員の専門性育成という面でも大きな強みがあります。
支援対象を未就学児に絞ることで、スタッフ教育の焦点を明確にすることができ、より効果的な人材育成が可能となります。
これは、支援の質の向上に直結し、結果として利用者満足度の向上にもつながります。
設備投資の面でも、効率的な運営が可能です。
放デイとの多機能型事業所と比べて、未就学児に特化した設備やおもちゃを揃えることができ、空間づくりも専門的に行えます。
これにより、限られた予算の中でも、より効果的な療育環境を整備することが可能となります。
保護者との関係構築という点でも大きなメリットがあります。
未就学児の保護者は子どもの発達に関する不安や悩みを抱えていることが多く、専門的な知識と経験を持つ事業所として、きめ細かなサポートを提供することができます。
この信頼関係の構築は、継続的な利用につながり、安定した運営の基盤となります。
未就学児に特化することで、年齢や発達段階に応じた支援プログラムをより細かく設計することができます。
各発達段階での課題に対して、より専門的なアプローチが可能となり、支援の効果を最大限に引き出すことができます。
単一の支援サービスに集中することで、業務フローの最適化や人員配置の効率化が図りやすくなります。
これにより、運営コストを抑えながら、高品質なサービス提供を実現することが可能となります。
特に開所後すぐに満席となることは少ないため、開所当初は少ない人員(国の最低基準を満たした状態)ではじめ、利用者が増えてくれば合わせてスタッフ数を増やしていくことができれば、初期の固定費を抑えることができ、資金繰りにも効果的であるといえます。
特定の年齢層に特化することで、ターゲットを絞ったマーケティング活動が可能となります。
これにより、広告宣伝費を効率的に活用し、より効果的な集客活動を展開することができます。また、専門性を活かした情報発信により、事業所の特徴をより明確に伝えることができます。
未就学児支援に特化することで、保育所や幼稚園、地域の子育て支援センターなど、関連機関との連携がより密接になります。
これにより、地域における療育支援の中核的な役割を担うことが可能となり、より包括的な支援体制を構築することができます。
単独開所における課題と対策
一方で児童発達支援の単独開所には、いくつかの課題も存在します。
一般的に最も懸念されるのは収益性の確保ではないでしょうか。
特に短時間での個別療育に特化した場合、「短時間療育」の基本単価となるため、長時間預かり型の事業形態に比べ収益が低くなりがちと言われています。
しかし、これらの課題は適切な対策を講じることで十分に解決可能です。
短時間マンツーマン療育であっても、子育てサポート加算や家族支援加算などの加算をうまく組み合わせていくことで、長時間預かり型の事業所と収益性においては大きな差はなくなります。
さらにスタッフ教育をしっかりと行うことで、支援の質を高め、特色ある療育プログラムを提供することで、安定した利用者数を確保することができます。
さらに効率的なスタッフ配置や業務改善を行っていくことにより、人件費の適正化も図ることができます。
もちろん人材の採用と定着も重要な課題です。
専門性の高い職員の確保と継続的な育成が必要となりますが、明確な育成プランの策定や定期的な研修機会の提供、働きやすい職場環境の整備により、この課題も解決することができます。
つまり、単独開所においていくつかの懸念事項はあるものの、適切に運営を行っていくことができれば、デメリットはほとんどなくなるのです。
【具体例】弊社の運営方法紹介
弊社では、「体や言葉の発達支援」に特化した療育プログラムを提供しています。この明確な特化戦略により、保護者の方々に弊所の特徴が理解しやすくなっています。
「送迎なし」、「保護者同室」、「一人ひとりに合わせた個別プログラムを担当者が構築する」といった方針(他事業所との完全差別化)を明確にすることで、「我が子に合った療育プログラムを提供してほしい」と願う保護者にとっては唯一無二の事業所として魅力的に感じていただくことができ、その結果「広告やチラシ宣伝」を一切してないにも関わらず、お問い合わせ件数は多い月で7件/月程度あるという実績につながっています。
ちなみに、弊所ではどの事業所も1.5時間未満のマンツーマン療育(基本単価のⅠに該当)のみで運営を行っています。
基本単価が最も低い額となる運営形態ですが、上記でもご紹介したとおり、保護者同室のメリットを活かし、家族支援加算などの加算を適切に組み合わせることで、制度改正後も収益が変わることなく継続運営できています。
また、お子さんの発達評価などを全スタッフが行うなど「専門性の高い事業所」としての立ち位置を確立することで、「質の高い療育を受けたい」と希望する保護者の方に訴求することができており、継続した利用につなげることができています。
その中でも特に力を入れているのが、情報発信です。
ブログやYouTubeを通じて、発達支援に関する専門的な情報を分かりやすく発信することで、質の高い保護者層への訴求と見学希望依頼につなげています。
実際に弊所に見学に来られた方の100%近くの方が、ホームページやブログを読み込んでおり、またYouTubeチャンネルから弊所の存在を知ったとのことで遠方より公共交通機関で1時間以上かけて通ってくださる方も多数おられます。
そのため、見学時にすでに利用したいと希望されている方の割合が高く、見学後利用契約につながる「契約率」が非常に高い水準を維持しています。
なお、これらの事項は決して難しいことではなく、御社でも仕組み化とスタッフ教育(研修)をしっかりと行うことができれば(児童発達支援単独の事業所だからこそ)「未就学の子どもを対象とした専門的な事業所」として認知されるようになり、「利用者様が自動的に集まってくる」ようになります。
実際、弊社が行っているオーナー様向け継続サポートをご利用いただいている事業所様の中には、弊所と同じ運営手法で安定して運営されている事業所様もありますが、質の高い保護者の方が多く利用されているとのことです(継続コンサルティングの中で弊所の運営手法などについてご紹介しています)。
【参考動画】利用につながる見学対応のコツ|弊所YouTube動画
弊所ブログでは、誰にでも分かりやすく親しみやすい記事、療育について学べる記事を定期的に更新していくことで、ホームページへの再訪を促し、自然に弊所理念や代表者(私です)の考え方を理解していだけるような仕組みを構築しています。
開所準備のポイント
最後に児童発達支援事業所を開所するにあたってのチェックポイントをいくつかご紹介します。
児童発達支援事業所の開所準備では、立地選定が非常に重要です。
特に、公共交通機関からのアクセスや駐車場の確保は、利用者確保に直結します。また、周辺環境の安全性も重要な要素となります。
人材確保と育成も成功の鍵となります。
発達支援に関する専門知識や経験を持つスタッフの採用はもちろん、人柄の良さを重視して採用することが大切です。なぜなら未就学児を対象とした場合、保護者の方とのやり取りは多く、丁寧で繊細な対応が必要となるからです。
極端なことを言うと、いくら経験が長くても人柄に難ありの場合、保護者の方は愛想をつかしてしまうでしょう。弊所でも人柄に難ありの方を採用してしまったことで、保護者からの苦情をいただいた、という失敗事例があります。
人柄の良い方が入職されたら、次は継続的な研修体制の整備が必要です。キャリアパスを明確にすることで、職員の定着率向上にもつながります。
弊社では、入職1年目、3年目、5年以上の3段階を設け、それぞれの役割や業務内容、研修で学ぶべきこと、給与体制などのキャリアパスを作成しています。また主任や課長などの役職者になるための条件なども別途規定しています。
開所前の準備では、行政手続きの計画的な実施、設備・備品の調達計画、広報活動の準備など、多岐にわたる作業が必要となります。これらを計画的に進めることで、スムーズな開所が可能となります。
なお、行政手続きについては、オーナー様が直接行うことも可能ですが、書類作成と役所への提出に関しては行政書士さんにお願いするのも手です。
もちろん依頼費用はかかりますが、空いた時間を有効に活用し、オーナー様にしかできないこと(理念構築や療育プログラムの構築、人材採用における御社方針等)に注力されるのもよいでしょう。
まとめ
児童発達支援事業所の単独開所は、明確な特化戦略と適切な運営方法により、十分な成功が見込める選択肢です。
専門性の高いサービス提供、効果的な情報発信、人材育成の体制整備、保護者との信頼関係構築など、さまざまな要素を適切に組み合わせることで、安定した事業運営が可能となります。
コンサルティングサービスのご案内
児童発達支援事業所の開所や運営でお悩みの方へ、弊社では実践的かつ包括的なコンサルティングサービスを提供しています。
実際の運営者(弊社代表西村猛)が直接指導にあたり、現場での経験に基づいたアドバイスと、実践で効果が実証された手法を提供しています。
人材採用・育成のノウハウ提供から、療育プログラムの構築支援、スタッフ研修・教育プログラムの提供まで、幅広いサポートを行っています。
大手コンサルティング会社とは異なり、個々の状況に応じた柔軟な対応と、丁寧で継続的なフォローアップを心がけています。
これまで22事業所様の開所準備から運営まで、さまざまな段階でのご相談に対応してまいりました。
児童発達支援事業所開所サポートにおいても、これまでのサポートで培ったノウハウを惜しむことなくすべてご提供していますので、ご関心をお持ちのオーナー様がおられましたら、お気軽にお問い合わせください。



