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【YouTubeライブの報告】療育を利用されている保護者に向けて「令和6年度の制度改正のポイント」について3つの視点で解説しました(動画へのリンクあり)

弊社が運営するYouTubeチャンネル「こども発達LABO.」のライブ配信で、令和6年度の制度改正について、主に保護者の方向けに、制度の概要と特徴について解説しました(動画はこの記事の最後にあります)。


今回の制度改正は、お子さんの利用時間の長短によって区分分けされるという部分が最も大きな変更点だと言えます。

もちろん、細かな加算の付与・変更などありますが、保護者の方にとって最大の関心事項であるのは、「今通っている個別療育がなくなって、集団療育(預り型の療育)になってしまうことはないのだろうか?」ということだと思います。


実際、ライブ内において、保護者の方からのコメントとして、「今通っている事業所さんから、個別療育から集団に変わると聞いています」というお声も聞かれました。


また、「個別療育が無くなるのは反対です!」というお声も多く聞かれました。


ライブには運営者(オーナー様)も参加してくださっており、「個別療育はやめません!」と力強いコメントも複数いただきました。

さて、ライブ内で時間区分以外のトピックスとして挙げたのは、「5年以上の経験があると専門性が高いと評価されたこと」(5年以上の経験であれば質は問わない)、「セラピストは配置のみでは不十分で、個別セラピーなど実際にお子さんを担当する必要性があることが盛り込まれた」の2つです。


この2つは今後、療育事業所さんの採用に大きく関係すると予測され、「職種よりも経験年数が重視」「(採算の観点から言うと)セラピストを雇用する機会が減る」ことで、療育業界全体で「セラピストの採用率が下がる→セラピストがいなくなる」ということにもつながりかねないリスクがあります。

そもそも小児領域におけるセラピストの割合は、成人や高齢者を対象としたセラピストに比べ、圧倒的に数が少ないことに加え、事業所オーナー様の中には「セラピストを採用したとしても、どのような仕事をお願いすればいいのかよく分からない(セラピストの職域がよく分からない)」という方もおられるため、今回の制度改正によりセラピストの雇用率はより低下するのではと推察されます。


さて、以下はライブでご紹介したスライドの一部です。

令和6年度の制度改正から予測される療育業界の今後の流れを3つの視点で解説しました。

※もちろん、これは私の個人的な予想のため、見当違いの予想もあるかと思いますので、あくまでも参考程度にご覧ください。

すべてなくなることはないですが、1時間程度の個別療育を実施する事業所は確実に減ると思います。

採用においては、「とりあえず5年の経験があるかどうか」がポイントになると思われ、5年以上の小児実務経験のある児童指導員さんなどが、引く手あまたになると予測されます。

加配加算要件に質は記載されていないので、とりあえず5年あればいい、という採用が進めば療育業界全体の質は低下すると予測されます。

これまでは専門職加算として、セラピストは高単価の加算額でしたが、来年度以降は5年以上の児童指導員と、例えば2年の経験しかない言語聴覚士(セラピスト)だと、前者のほうが圧倒的にニーズが高くなるため、あえてセラピストを雇用する事業所さんは少くなると予測されます。

それにより、療育業界全体で、セラピストが減っていくと思われます。


もちろん、セラピストが配置されているだけでなく、実際にお子さんを個別療育で担当すれば加算額は増えますが、そうなると「とりあえず1日でできるだけたくさんのお子さんの個別療育を実施してください」(記録も必要になっています)ということになります。

もしセラピストの方が、「お子さんに対して丁寧に関わりたい」と思っていたとすると、数をこなすという働き方に違和感を感じ、離職することも予想されます(セラピストの多くは、知識や技術を高めたいと考えています)。


という事情もあり、いずれにしてもセラピストの減少は加速するのではないかと思われます。


いずれにしても、今回の制度改正は、療育業界の構図を大きく変えることにつながる改定であると言えます。


また、今回のYouTubeライブでは詳しく取り上げませんでしたが、今後は児童発達支援や放課後等デイサービス事業から、「訪問支援事業にシフト」していくことも検討するべき時期に来ているのではないか、と思われます。

インクルージョンの流れを見ると、次回の改定では厚労省は確実に訪問支援にシフトすることを狙っていると考えられますので、この3年間の間に訪問支援に少しずつ準備しておくことが必要になると考えています。


なお上記の内容については、YouTubeライブでより詳しくお話しています。
※スライドでの解説が始まった部分から見られるようにしていますので、お時間のある方はぜひご覧ください。

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